メーカーインタビュー

インターネットでの情報発信で気付いたバイヤー様へのPR手法のしくみ|合同会社ナチュール青森 代表社員CEO 工藤真義さん

商品開発の新しいトレンドとして、「六次化」というキーワードをよく耳にすることが増えている。
地域資源を活かした新しい事業の創出を、国を挙げて支援する事例も多くなってきた。

このインタビューでは、青森産の地域資源を使ったプリンの製造・販売を行っている「合同会社ナチュール青森」の工藤CEOに、商品開発を行う上での他の業態・業種との連携のポイントや販売展開手法についてお話しを伺った。

お客様からの何気ない一言から始まった ”青森らしい”商品の開発

弊社は元々青森市内に飲食店として展開をしておりました。
料理としてピューレを提供していたのですが、2011年ごろにお客様からピューレを使った商品はなにかできないか?とご要望をいただき、「それは面白そうだ!」と思って始めたのがキッカケです。

かねてから青森県の代名詞であるりんごを使った商品を考えていたところでした。
せっかく新しい商品を作るのだから、青森県の地場のものを積極的に使って商品開発しよう!そう思い開発に着手しました。

商品開発の際には、お店で味わってもらうということはもちろん、お持ち帰りしてご家族でも楽しんでもらえる商品ということでプリンの開発を思いつきました。

プリン

”青森らしさ”の秘訣はピューレとはちみつという ふたつのりんごのコラボレーション

「青森らしさ」を表現するため、青森の農家さんがこだわって作られた野菜や素材だけを使うと決め、いち取り引きのビジネスだけの関係だけではなく、”青森を良くするパートナー”として共感してもらえる関係作りを目指しました。

市の紹介やネットでの情報収集、知り合いのツテなどを頼りながら、文字通り自らの足を使って農家さんを開拓しました。その結果、「ぜひこの方の素材を使いたい!」というようなりんご農家さんとはちみつ養蜂場さんが見つかりました。

実際に商品開発をはじめてみるとやはり苦労だらけでしたが、商品にインパクトを持たせるために頭を使って工夫する楽しみもありました。

一つ目の工夫が「りんごの花から採れたはちみつ」を使うことです。
りんごの花から採れたはちみつは、甘みに加えてほどよい酸味があることが特徴です。
一口含んだ際のりんごの香りの風合いを良くしてくれ、青森のりんごとはちみつであることもPRできますよね。

二つ目の工夫が「葉取らずのサンふじ」を使うことです。
りんごを育成する際、葉を取らない方が栄養価が高くなるんです。植物は葉から太陽の光を光合成して栄養にしてますからね。ですが、一般の方が食べるためのりんごは、見た目をよくするためにも、葉を取ってしまうことが多いのです。弊社のプリンに使っているりんごは、葉取らずのサンふじを使い、味だけでなく、りんご本来の栄養もおいしく味わえるよう作っています。

こういった商品開発の工夫を数多く重ね、試作品として76番目の商品が、私が求めていたプリンとしてようやく完成しました。素材選びから手間を惜しまず作ってきたので、完成した際には嬉しくなりました(笑)

プリンの甘みとりんごの酸味のバランスがこのプリンの一番の特徴です。
また、商品化にあたって青森市の支援を受けて、完成後市の紹介で「青森市新作スイーツコンテスト2012」というイベントに完成したプリンを出展いたしました。結果、優秀賞までいただくことができました。

青森の地元農家さん、養蜂場さんが一生懸命作られた、青森自慢の素材の良さが認められたと感じ、とても嬉しく思っています。

ふたつのりんごのコラボレーション

これまでの商品開発への考え方を根本から覆された 大平プロデューサーとの出会いとご縁

私が商品開発をしているさなか、様々な商談会や研修会に参加させてもらいました。
そんな中、ビジネスマッチ東北という大規模な商談会に参加するための事前勉強会で講師としてお話しをされていた大平先生(※東経連ビジネスセンター セールス支援プロデューサー 大平孝氏)という方の「商品を流通させるため」というお話しに感銘を受けました。

メーカーとしての想いだけの商品開発ではなく、買ってくださるお客様に向けた商品開発がとても重要であると気付かされました。

大平先生に自分の想いを伝えたところ、東経連ビジネスセンター様をご紹介していただき、2014年4月から2015年3月までの1年間支援を受ける運びとなりました。

支援内容は商品コンセプトの立案から商品開発、ターゲット設計、流通などすべての分野の見直しを1年で行うという、ハードなものでした(笑)

支援を受けて一番変わったのは自分の考え方ですね。
私自身飲食店という分野の人間でしたので、商品開発は今回が初めての経験でした。支援では、その自分の商品開発にあたっての根幹的な考え方、土台の底上げになったと感じています。商談会が迫っていたので、スケジュールを繰り上げて、濃密な支援をいただきました。

ネットでのバイヤー様との商談成功のカギは キメの細かい情報発信にあり!

クオリティの高いプリンが出来上がったと自分でも自信を持っておりますので、今後は商品を広めていく段階であると感じています。現在、首都圏をメインターゲットに据えて、ギフト用途の商品ラインナップも加えて展開しています。

その上でインターネットを使った情報発信は欠かせません。
これまでのBtoBに加えてBtoCを狙うため、自社サイトと販売サイトを充実していきたいと思います。
東経連ビジネスセンター様が運営するマッチングサイト「東北いいネット」への商品出展もその一部です。
弊社のプリンを掲載していただき、様々なバイヤー様に商品をご覧になっていただいています。

東北いいネットに掲載している商品は、バイヤー様がすぐ商品の取り引き条件をご確認いただけるよう、原材料等はもちろん、ロット数から配送の際の箱の大きさまでをキメ細やかに登録する必要があります。入力は大変だったのですが、この細やかな情報発信が大切なのです。

東北いいネットを通じて、東北の地域産品の発信スポットである「東北ろっけんパーク(※宮城県仙台市の中心部にある東北の復興をバックアップする施設)」に催事として出展させてもらったりと、バイヤー様との商談の機会をいただきました。その際、東北いいネットに展開しているような細やかな商品情報が商談の際にも役立ちました。

インターネットで露出をするということも大切ですが、その際にバイヤー様に出す「商品情報の質」の大切さにも気付かされました。これからも、「青森らしさ」を表現した商品開発をしてまいります。現在新たに3種類のスイーツ商品の開発も進めています。この商品も東北いいネットを中心に、インターネットでの情報発信に力を入れて、様々なバイヤー様の目に触れるよう、努力していきたいと思います。

「青森らしさ」を表現した商品開発を進めています。