メーカーインタビュー

売りのプロが直伝するマーケティング・プロモーション戦略|有限会社峰の雪酒造場 代表取締役社長 佐藤利也さん

消費者のニーズや嗜好が多様化する中、世の中のトレンドを掴むため、バイヤーではインターネットを使った情報収集が当たり前になってきている。

そのバイヤーに商品をPRするメーカーとして、どのようなプロモーションを行う必要があるのか。東経連ビジネスセンターの支援先として、福島県喜多方市で昭和30年より酒造場を営んでいる「有限会社峰の雪酒造場」の佐藤社長に、自社での商品プロモーション展開についてお話しを伺った。

業務用から一般消費者向けに販路を求めて 会津若松発のミード(蜂蜜酒)作りへの挑戦

弊社は昭和30年(1955年)にこの喜多方で法人化し、私で現在4代目の老舗の酒造場です。

当初は関東(首都圏)向けに100%業務用のお酒の製造・販売を行っておりました。ですが世間では徐々に高級酒のニーズが高まってきたため、これまでの業務用のお酒だけでなく新たに一般消費者の方にも味わってもらえるお酒を作ろうということで、2008年からミード作りを始めました。今は純米酒とミードの2本立てで展開しています。

蜂蜜酒ミードとは、「人類最古の酒」とも言われており、蜂蜜と水、酵母を発酵させて作るお酒です。
ヨーロッパではワインやビールと並んで一般的なお酒として楽しまれているんですよ。

もともとは会津若松の養蜂農家である「(有)ハニー松本」さんから、蜂蜜を使って一緒に商品開発できないか?という提案を受けてスタートいたしました。

弊社も福島県の企業でしたので、地元の食材を使ってモノ作りをしたいという気持ちが根底にはありました。弊社で製造している日本酒も、実は従業員が作った米で作られているほどです。

蜂蜜酒ミード

モノ作りのプロだったからこそぶち当たった モノを”売る”ための壁

ミードは日本酒製造の免許では作れないので、まずは「その他の醸造酒」の免許を取るところからスタートでした(笑)
その免許取得のために様々な準備が必要でして、ミードの商品開発に実に7年もの歳月が掛かってしまいました。

日本ではミードの製造事例がなかったため、試験醸造を市から勧められ、福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターさんの支援を受けることができました。そしてついに2008年7月に第1号のミードが完成いたしました。

出来上がりをみなで飲んでみたところ、私達が思った予想以上の出来栄えとなり、これを喜多方発のミードとして売りだしていきたい、そんな想いを強く持つようになりました。国の「農商工等連携事業」の認定を会津で初めて受けることもでき、日本酒に加えてミードという2本目の柱ができました。

ですが、私達は商品作りのプロではありましたが、モノを売るプロではないのですよね。
せっかく良い商品ができたのに、どこにどうやって売っていったらいいのか、思い悩んでいる時に東経連ビジネスセンターさんの支援を受けることになりました。

お客様目線で考える事で見えた マーケティング・プロモーションの視点

東経連ビジネスセンターさんの支援では、モノ作りの視点だけでなく、買って頂けるお客様・消費者様の目線を持つことを教わりました。そのためには商品コンセプト・商品開発・価格設定・パッケージ・販路開拓などを一段高い視点からトータルで見直す必要がありました。

マーケティング支援プロデューサーの大志田典明さんから教わった、この「お客様目線」というマーケティングの考え方が、非常に勉強になりました。

大志田さんからは、ミードの新たな楽しみ方・味わい方を提起いただき、清酒酵母仕込みで甘さを抑え、料理を引き立てる「DRY(ドライ)」と、ワイン酵母仕込みの香り高く華やかな味わいの「SEMIDRY(セミドライ)」の2種類を開発を行いました。

これにより、料理シーンにあわせたバイヤー様への提案がおこなえるようになりました。
単に美味しいだけではなく、お客様が利用するシーンを想定した商品作り。
お客様目線のマーケティングの視点が加わって、本当にこの商品が完成したのだと思います。

大志田さんからのアドバイスは商品開発だけでなく、販路開拓の面でも効果的なアドバイスを頂きました。
例えば、ミードを結婚式の乾杯に使ってもらうなど、ブライダルへの展開を見越してゼクシィさんへの営業を提案され、実際に営業してみたところコンセプトやミードの良さを知ってもらえ、誌面でもご紹介頂く機会がありました。
地元・喜多方の結婚式場でもミードを採用して頂き、お客様からの評価も非常に高かったと聞きました。

ただ単に良いものを作るというだけでなく、マーケティング、プロモーションの視点を持つ。
これが大切なんだと実感した瞬間でした。

その他にも、経済界の様々なイベントでの乾杯やお土産にも採用していただき、採用が認知を広げる起爆剤になっています。このようなことは、自分一人ではなかなか考えつかない展開ですよね。

マーケティングの視点の重要性を実感。

「一度味わってもらえばわかる」 インターネットでバイヤーにアピールするお試し戦略

現在弊社では、卸を抜いて直接小売店様に向けて販売をしたいと考えております。
ミードを製造する上でも、生産量など体制にも限りがあるので、流通量が少なくとも太く長いお付き合いをしたいと考えております。

ミードという商品特性や、前述の通り量産ができないという状況もご理解いただきながら、商品へのこだわりを持った商品作りをしておりますので、同じような想いを持つバイヤー様と出会えればと思います。

弊社のモノ作りの基本は大量生産ではなく、素材へのこだわりと手による丁寧な仕事から生まれます。
会津の天然蜂蜜を使い、飯豊山系の伏流水で仕込み、一つ一つ丁寧に瓶詰めの工程を丁寧にやらせてもらっています。大量には作れませんが、その分手間を惜しまず確かな商品が出来上がっていると思います。

バイヤーの方に一度このミードを味わって頂ければ、商品の完成度やポテンシャルをわかって頂けるのではないかと自負しています。ですがこの「一度味わってもらう」というのは非常にハードルが高いのです。
このハードルをクリアするために行っているのが、インターネットを使ったお試し戦略です。

東経連ビジネスセンターさんが運営する「東北いいネット」は日本全国のバイヤー様が商品探しをされています。私どもでは、バイヤー様に弊社のミードを味わってもらうため、ミードの試飲としてサンプル提供を行っています。自信があるからこそ、インターネットを使って日本全国のバイヤー様にプロモーションの一環と捉えて実施しています。

おかげ様でバイヤー様からの反応も上々で、東経連ビジネスセンターさんの支援による「東北フードバザール」などのリアルの催事販促と絡めて広範囲なプロモーションができています。

このように、良いミードを作るために様々な方にご協力をいただきながら努力してまいりました。
バイヤー様には、ぜひ東北いいネットを通して資料請求やサンプル請求をしていただき、その舌でミードを味わって頂きたいです。

東京・表参道の小売店様や、荻窪の飲食店様、赤坂サカスの会津郷土料理店様でもお取り扱いしていただいておりますので、そちらに足を運んでいただくだけでも構いません。

福島・喜多方発のブランドとしてのミードを、こだわりを持つバイヤー様に知って頂きたいです。

ミードを、こだわりを持つバイヤー様に知って頂きたいです。